成年後見制度

成年後見制度の概要

成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が十分でない方の財産や生活を守る制度です。

家庭裁判所が、財産や生活・療養等に関する法律的な行為について、本人に代わって行う支援者を選任・監督するものです。

〔 法定後見制度 〕

成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が十分でない方の財産や生活を守る制度であり、家庭裁判所が、財産や生活・療養等に関する法律的な行為について、本人に代わって行う支援者を選任・監督します。

〔 任意後見制度 〕

任意後見人には、親族、専門職、知人等、誰でもなることができ、契約が有効になるためには、任意後見監督人選任の申立てを家庭裁判所へ行い、任意後見監督人が選任される必要があります。

法定後見制度について

法定後見制度においては、家庭裁判所によって選ばれた後見人等が「代理権」によって、本人の利益を考えながら本人を代理して契約などの法律行為をしたり、保佐人・補助人が「同意権」によって、本人が自分で法律行為をする時に同意したりして、本人を保護します。

例えば認知症が進行して判断能力が衰えた人は、悪徳商法などの詐欺の被害を受けやすくなったり、預貯金の引き出しや契約ができなくなったりすると、不利益を被る可能性が高まります。そのような状況下の人を、法的に保護する制度が「法定後見制度」です。

  1. 後見人等は家庭裁判所の審判により、民法13条1項所定の行為以外についても、同意権・取消権の範囲とすることができます。
  2. 日常生活に関する行為の範囲について、基本的には生活必需品の購入及びそのための預貯金の入出金に限られると考えられます。
    <日常生活に関する行為と想定されないもの>   <日常生活に関する行為と想定もの>

 

後見人等の職務

(1)後見人等の役割

後見人等の役割は、本人の意思を尊重し、身上監護(心身の状態や生活の状況に配慮しながら、本人がその人らしい毎日を送ることができるよう、生活全般の手配や契約を行うこと)および、財産管理(財産全体を把握した上でこれらの財産を保全し、利用または処分する財産の管理)に関する事務を行うことです。

<民法第858条:成年被後見人等の意思の尊重及び身上の配慮>

 

(2)後見人等の職務ではない行為

①事実行為としての家事・介護

炊事、洗濯、掃除などの家事援助や、食事介助、着替え、排泄介助などの介護は、事実行為であり後見人等の職務には含まれません。

②医療行為に関する決定・同意

医療を受けるための契約を締結することは、権限に属しますが、医療を受けること自体については、本人の同意が必要であり、後見人等には権限はありません。

③身分行為

本人の婚姻、離婚、養子縁組、養子離縁、認知などの行為は、後見人等が本人に代わって意思表示を行うこと、または本人の行為について同意権や取消権を行使することは権限外です。遺言の作成も同様に、本人が決めるべきことであり、代理になじまない行為とされています。

④(身元)保証人等

(身元)保証人等になることはできません。

⑤その他

その他、「本人の財産を贈与・寄附すること」、「投資や投機的な取引を行うこと」、「相続税対策」等は後見人等の職務ではありません。

任意後見制度について

本人が十分な判断能力があるうちに、あらかじめ任意後見人となる方や将来その方に委任する事務の内容を公正証書による契約で定めておき、本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人が委任された事務を本人に代わって行う制度が「任意後見制度」です。

後見人制度の本人の死後について

被後見人等の死亡により、後見人等の職務は終了となります。それ以降の死後事務に関することは原則として相続人、又は死後事務委任契約に基づく受任者が行うことになります。

しかしながら、相続人等がいない、あるいは対応してもらえないなど、そのままにしておくと様々なリスクを伴う場合、緊急的に、民法上の「事務管理」行為として、元後見人等が最低限の事務を行うこともあります。

また、相続人がいない場合や法定相続人が全て相続放棄をした場合、本人の財産や負債を処理する必要がある際には、元後見人等、債権者等の利害関係人等から、家庭裁判所に対し、相続財産管理人の選任の申立てを行うことができます。

*成年後見に関するお問い合わせ先:お住まいの町村役場または市役所

後見人制度について 岐阜県社会福祉協議会では

成年後見制度利用促進事業の推進として・市町村(社協)等を対象に、中核機関等職員研修会・福祉関係者向け成年後見制度理解促進研修会、成年後見制度の理解促進・普及に向けて権利擁護セミナーなどを開催しています。

また、法人後見の立上げ支援と新たな担い手の確保・育成に向け、市民後見人養成研修会・法人後見従事者養成研修会や市町村社協による法人後見事業促進会議も開催しています。

お問い合わせ先
岐阜県社会福祉協議会 成年後見・福祉サービス利用支援センター
〒500-8385 岐阜県岐阜市下奈良2丁目2番1号 岐阜県福祉・農業会館内
058-274-7143
FAX:058-275-4858